地域おこし協力隊として見る、オーガニック・自然栽培が出来そうな地域5選

“You are what you eat! “

あなたはあなたが食べた物で出来ている。

健康への影響や環境問題、果ては政治的なところにまで繋がってしまう食べ物の話。

「世界一住みたい街」と称されるアメリカ・ポートランドの市場では野菜がオーガニックなのは当たり前だそうな。オーガニック先進国と言われるドイツでは100%オーガニックのスーパーがゴロゴロあるとかないとか…いやあるようです。行ったことがないので断言できないだけ。笑

一方日本では。

一般的なスーパーで無農薬の野菜を見ることはほぼ皆無(たまに産直野菜コーナーにありますね)、野菜売り場の一画に「有機野菜」と謳われたコーナーも最近は見かけるようになりましたが、ひとくちに有機と言っても実はピンキリ。大手スーパーの「有機野菜」は実際はどうなの?と勘ぐってしまいます。

オーガニックな野菜を買うには信頼できる農家さんの物を直接、またはマルシェや道の駅、数少ない自然食品の店に行って買う…くらいしか選択肢がないのではないでしょうか。

世界で規制が始まっている「グリホサート系」と呼ばれる発ガン性の疑われる農薬も日本では基準を大幅に緩和したりしていて(政治的な話ですよね)、「オーガニック後進国」とすら言える状況なのではないかと思います。

(江戸の町は高度な循環システムを持っていたそうだし、福岡正信の名は世界のパーマカルチャーに影響を与えている。元来それが出来ていてこんなに自然の豊かな日本がそれをやらないでどうするの…いつやるの今でしょ…ゴニョゴニョ…とそれはまた別の話)

しかしそんな日本でも、オーガニックや自然栽培など持続可能な方法で町づくり、村おこしをしていこうという地域があるようです。

現在地域おこし協力隊として活動し、自然栽培での就農を目標とする僕から見た「オーガニック(ここでは有機農業の事とします)・自然栽培をできそうな地域」を想像と主観で5つピックアップしてみました。

 

1.北海道島牧村

北海道島牧村(しままきむら)ここ島牧村では、これから持続可能な暮らしを提案・実現していこうとする人々が集まり始めています。

北海道島牧村
http://www.vill.shimamaki.lg.jp/

北海道島牧村。村の大部分を森林が占める
北海道島牧村。村の大部分を森林が占める

島牧村では数年前にJAが無くなり、現在はその代わりを農業振興会という会社が請け負っています。つまり、農協による制約がなく、村の農業のトップである農業振興会がオーガニックを推進して行きたいと考えている村なんです。

そして、そこの代表が長年無農薬でお米を作っている波多野さん。

BIASTRAによる、農業振興会の波多野さんへのインタビュー記事があります。
http://biastra.jp/i/relay/2008

道南最高峰の狩場山、その裾野に広がる北限のブナの原生林。そこから流れる清らかな水と日本海から吹き付けるミネラル豊富な潮風。自然豊かな北海道の中でも、さらに特別と言える(主観です)環境の中で島牧のお米や野菜は作られています。

島牧のお米は美味しい!手作りのイクラも島牧産

また、島牧には海岸からすぐに広大な山、森林へとアクセスできるという特徴があります。

賀老の滝
島牧名物「賀老の滝」

時期折々の海の幸から(島牧は釣りで有名です)、山の幸までを比較的容易に手に入れられる…つまり、食べる物を買わずともある程度自給できる、という環境が道内の他地域に比べ色濃く残っているように思います。僕も島牧に来てから何度野草を食べたことか…笑。そういった自給的な暮らし、自然暮らしをして行きたい、という方にも島牧は良い所ではないかと思います。そしてこんなに新鮮で美味しい食材は都会ではなかなか買えない!田舎暮らしの醍醐味の一つですね。

ユースホステルを営む、吉澤俊輔さんの畑より
ユースホステルを営む、吉澤俊輔さんの畑より

もちろん、全国の中山間地域同様、島牧村も沢山の問題を抱えています。住居の問題、仕事の問題、交通や買い物の不便さの問題。農業に関しても一般の村民や農家さんのオーガニックに対する理解はまだまだ進んでいませんし、そもそも農地自体が少なかったり(村の基幹産業は漁業です)。

大きな規模で農業を営み、しっかりと稼いでいくぞ!というスタイルの農業は島牧では難しいかもしれません。しかし、温暖な気候や豊かな自然環境を活かしてのオーガニックな農、海と森に抱かれての自然豊かな暮らしを実現できる場所です。

そしてオーガニックや自然栽培に興味を持たれる方の中には、そんな環境で自然暮らしをして行きたい、と思っている方もいるのではないでしょうか。そう、そんなあなたに向けてこの文章は書かれています!笑

広大な青空と山々が続きます
広大な青空と山々が続きます

現在、島牧村では農業体験や農業研修等、島牧村に興味を持ってくれた方への支援制度も用意しています。

まだまだ移住者、新規就農者にしっかりとしたケアを出来ているとは言い難い島牧村ですが、このブログや他の記事を見て少しでも島牧村に興味を持っていただけたなら、ぜひ気軽に遊びに来てくださいね!

 

2.石川県羽咋市

 

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 まずはやはりここ。「自然栽培の聖地」と称してアピールをしている羽咋市。「奇跡のリンゴ」で有名な木村秋則さんを講師に迎え、市とJAが(!)一体となり、持続可能な農業として自然栽培を推進しているようです。ふるさと納税への返礼品として出した自然栽培米は需要に供給が追いつかない程。海外でも高値で取引され、羽咋市が発信するmade in japanの自然栽培米は今後一つのブランドになっていくのかもしれません。

 

3.鳥取県智頭町

 数年前、「自然栽培で町おこしをしませんか?」という協力隊の募集を見たときには心が揺れました笑。現在は自然栽培農家としての募集はしていないようですが、町のホームページを見ても「森林セラピー」や持続的な林業の紹介等、やはりサスティナブルな町づくりを目指しているのではと思います。それから有名なパン屋さんもありますね!行ってみたいな。

タルマーリーHP
https://www.talmary.com/

 

4.宮崎県綾町

 

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Kenichiro Sugiki(@sugiki0924)がシェアした投稿

 豊かな森林を背景に、古くから自然との共生を掲げた綾町。町のホームページには『”自然生態系を生かし、育てる町にしよう”をもとに、昭和63年に、全国に先駆けて「自然生態系農業の推進に関する条例」を制定し、農薬や化学肥料をできるだけ使わない有機農業を推し進めてきました』とあります。時代を先取りし、北海道の自然食品店にまで野菜が売られている綾町は、まさに「有機の里」と言えるのではないでしょうか。

綾町
https://www.town.aya.miyazaki.jp/index2.html

 

5.千葉県いすみ市

 こんな記事がありました。

「給食、全て有機米に 全国初、いすみ市が実現」
https://www.chibanippo.co.jp/news/local/449327

記事によると『市は2013年、「自然と共生する里づくり」の一環で有機米の生産を働き掛けた。当初参加した農家は3人、面積は約0・2ヘクタール、収穫量は約0・24トンだったが、毎年、作付面積を増やしていき、今年はそれぞれ23人、約14ヘクタール、約50トンと拡大。全小中学校の計約2300人分の使用量となる約42トンを賄うことが可能になった。』とのこと。

僕の住む北海道から見れば都会のイメージのある千葉ですが、全国各地にサスティナブルな暮らしを目指す人はいて(当たり前ですね)、関東の街でもこんな動きがあるんだな…となんだか嬉しくなるニュースでした。(でも本来は日本各地でそういう暮らしがされてきたわけで…ゴニョゴニョ…は別の話)

いすみ市
http://www.city.isumi.lg.jp/

 

最後に…

ここまでの長文をお読み下さりありがとうございます。

これから地域おこし協力隊として活動をオーガニック・自然栽培で実現していきたい方への参考になれば幸いです。

大自然でおもいっきり豊かな体験をして、オーガニックライフを楽しみましょうね

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

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平岡譲

1982年札幌生まれ。 自然栽培での就農を目標に、2018年6月より地域おこし協力隊として北海道の島牧村に移住。遥かな昔より人々が営んでいた(いる)自然とともにある生き方に共感し、田舎暮らし、自然暮らしを勉強中。
1982年札幌生まれ。 自然栽培での就農を目標に、2018年6月より地域おこし協力隊として北海道の島牧村に移住。遥かな昔より人々が営んでいた(いる)自然とともにある生き方に共感し、田舎暮らし、自然暮らしを勉強中。
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