先日、お休みを利用して
” 流域の自然を考えるネットワーク “
の現場視察に同行する機会を頂きました。
北海道の雄大な自然。
その美しい自然を、いつまでも残したい(もちろん道外の美しい自然も含めて)ですよね。
今回の河川・ダムの視察によって学んだ事を、是非みなさまにも知って欲しい。
『報告』という目的も含めて書き記していこうと思います。
まず、今回の河川やダムの視察は、
” 流域の自然を考えるネットワーク “
という団体に同行させて頂きました。
当団体は、2006年に発足。
ダム建設などに疑問を持ち、郷土の自然環境を大切に思う地域の人々と共に
『どうすれば良いのか』
考える取り組みを始めたところが起源。
もちろん、当団体の事をそんな単純な話で片付ける事は出来ませんが、こういった団体が、ダム建設や森林伐採などに対し声を上げる事により、
『本当に必要なことなのか』
考え直す大切なキッカケになるのです。
幸運にも、札幌市にある
- パタゴニア札幌北ストア
- パタゴニア札幌南ストア
からオファーを頂き、今回の視察が実現。
とても貴重な機会を与えていただいたこと、心から感謝いたします。
まずはじめに視察したダム。
通常のダムとは違い、真ん中に切れ込みが入っているのが分かります。これは、
” ダムのスリット化 “
が既に施された例なのです。
ダムをスリット化すると、ダム建設により失われた自然を(多少)再生する事が期待されます。
もちろん、初めからダムなんて作らないのが一番理想なのは言うまでもありませんが・・・
もう一つ別の河川にあるダムも視察。
こちらも同じくダムがスリット化されています。
” 魚道 “も設置されています。
確かに設置直後はしっかり魚が遡上する事もあるそうです。
しかし、時が経つにつれて砂や流木が底に溜まり、やがて機能しなくなる。。。
こんな魚道も見てきました。
もはや芸術品。
こんな形状でも始めのうちは機能するようですが、、、
こちらも次第に砂や流木に埋もれ、使い物にならなくなります。
最後に視察したダム。
現在、当団体や地元の漁師達が声を上げ、今後のスリット化が期待されるダムです。
そもそも、ダムが作られると河川にどの様な問題が起きるのか。
それは主に下記の点にあります。
- ダムの上流から巨石や砂、泥などが流れ込み、いずれダム湖に堆積してゆく。
- それにより、ダムが一杯になる。
- ダム内に留まる事が出来なくなった砂や泥が流水と共に下流域に流れ始める。
- 流れる水に砂がプラスされると、巨石まで動かすパワーが生まれる。それにより、下流域にあった巨石や砂がどんどん海に向かって転がされる様に流れて行く。
- 川底に転がっていた小石や砂がどんどん下流域に流され、河床が下がってゆく。
- 河床が下がり、それに加え上流から流れてくる砂により、岸が削れてゆく。
- 岸が削れると同時に川沿いに生えていた大きな木が根本から崩され、やがて下流域に流されてゆく。
- 流木と増水が重なり、物凄い破壊力が生まれ、下流域の住宅や施設に甚大な被害を及ぼす。
- 石や砂を失った河川では、魚たちが産卵する場所が無くなってゆく。
- 流れてきた泥が原因で、魚が産卵出来たとしても卵に泥がかぶり、窒息死し産卵する事ができない。
- 砂や泥にまみれた川が海に流れ、海藻が減る等の変化が起こる。
- 海藻等が減る事で、それを食べるウニが育たなくなり、水産業にも多大な影響を及ぼす。
私が今回の視察で学んだ事だけでも、これだけの問題を起こす可能性があるのです。
残念ながら、一部の利益目的の為に、” 何か “が犠牲になっている。
そんな現実が世界中にたくさんあります。
それに加えて、
” 正しい情報開示すら無いまま作業開始 “
なんてこともしょっちゅうです。
だからこそ、流域の自然を考えるネットワークの様に、正しい情報を自分の目で、自分の足で確認しに行くのです。
そして、確認できた正しい情報を一般市民に訴える活動が必要なのです。
物事の善悪などを正確に判断する眼。
そして自然を尊ぶ心をいつまでも持ち続けていたいものです。
最後に…
ここまでの長文をお読み下さり、ありがとうございます。
以上、(ダムのスリット化) でした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。