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Toggle自然豊かな北海道には実に多様な生き物が生息していますがその中でも断トツに異彩を放つオオカミウオという魚
僕も子供の頃から水族館や図鑑なんかで存在は知っていた憧れの魚です
このオオカミウオを一言で表すととにかく顔が怖い魚です、そうとしか言いようがありません笑
今回は一生出会うことなんてないだろうと思ってたオオカミウオを初めて釣り上げた時の話しをさせて頂きます
オオカミウオってどんな魚?
まずはオオカミウオという魚について説明させて貰います
その恐ろしい顔つきからオオカミウオの名前がついたと言われていますが英語名でもBering wolffishなんです
日本でも英語圏でもオオカミの名前がついてるとは面白いですね
僕なら恐竜魚、ダイナソーフィッシュと名付けたいですけど 笑
ギンポというニョロニョロした可愛らしい魚の仲間でオホーツク海やベーリング海に生息しています
こんな恐ろしい顔をしてるのに意外と臆病な魚で普段は岩の隙間なんかに隠れています
食材として流通することは稀ですが、網に掛かると市場に出回ることもあります
オホーツク海沿岸の町だとタイミングが合えばお店で食べれることもあるようです
プルプルとコラーゲンたっぷりで美味しいらしいですよ
オオカミウオの釣り
見た目に非常にインパクトがあることから今でこそ物好きな釣り人やテレビ番組の企画でオオカミウオを釣りに行ってるのを見かけますが、僕が釣りに行った時はまだ釣り方がそこまで確立されてない未知の釣りでした
ただ僕の尊敬する知人がこの釣りを開拓していてくれていて(現在オオカミウオ釣りが出来るのは全て彼のお陰です)釣れるポイント、釣れる時期、餌は何が良いとか彼がゼロからトライアンドエラーを繰り返して正解を出してくれました
オオカミウオを釣りに行ってきた
そんな彼と一緒にオオカミウオを釣りに行く機会が来ました
全く未知の釣りに胸が高なったのは今でも覚えています(集まったメンバーも豪華で僕は萎縮していました)
場所は知床の羅臼、季節は夏、船は先に述べた知人と共にこの釣りを確立してくれた牛若丸さんにお世話になりました
オオカミウオを狙うのは水深100m付近の沖合です
僕は滅多に船に乗って釣りをすることがないんですが沖に出るとやっぱりワクワクしますね
この足元に広がる深い海にはどんな生き物が居るんだろう?想像すると気持ちが昂ります(知床にはクジラやシャチなんかもよく姿を現すので本当にドキドキするんです)
当時は釣り糸はどれくらいの太さが良いとか重りはどれくらいの重さが良いなんてのも分からず本当に試行錯誤でした
ただ頭の中で想像していたのは岩礁帯の隙間に潜んでいて食欲旺盛な巨大な魚
そしてきっと見た目からして泳ぎは得意ではないだろう
なので狙い目は奴らが潜んでいるであろう海の底、出来るだけ目の前に餌を送り込まなければならない
そして泳ぎが下手な奴でも餌を食いやすいであろう潮が止まった時がオオカミウオを釣るチャンスだろう(普通の釣りでは逆に潮が動いている時がチャンスです)
ただ知床の海は想像していた以上に潮の流れが強くまるで川の流れようでした
重たい250号(約1kg)の重りを付けていても流されてしまい海底まで仕掛けを落とせません
数少ない潮の流れの緩い時間帯は本気で集中しました
オオカミウオが潜んでいるであろう海底スレスレに餌を落とし込み(油断してると仕掛けが海底に引っかかってしまいます)
岩とかに当たったと感じたら仕掛けを少し上げたり、大丈夫だと思ったら下げたりの繰り返しでオオカミウオが食いつくのを待ちます
暫くすると何か違和感が100m先の海底から伝わってきました
釣り竿を煽って合わせます(釣り針を魚の口に掛ける動作)
そうすると確かな重みが伝わってきました
慎重にかつ素早くリールを巻いて正体不明の何かを海面へと引き揚げます
とにかく重い… しかし肝心の重さの主はたいして暴れません
ひょっとしてゴミでも引っかけたんじゃないか?そんな風に不安になりながらリールを巻きますが水深100mからの手巻きでの回収はなかなかに骨が折れます
腕が悲鳴を上げてきた頃にその姿が見えてきました
…オオカミウオです、しかもデカい!!
まるで恐竜…いや、怪獣です
水族館で見てたのと全然違います
ナニコレカッコイイ…
このおっかない口… ウニやアワビをバリバリと砕いて食べるようで(なんて贅沢なんだ)、手を突っ込んだら簡単に持っていかれるぞと船長に言われ冷や汗をかきました
いやしかし重い!
今でこそオオカミウオを釣り上げた写真をたまに見ますがこの以上のサイズは見た記憶がありません
ちなみにオオカミウオは神聖な魚(アイヌ語でチップカムイ、神の魚の意味)なので釣れたり網に掛かると酒を飲ませて海に返す風習がありますが、オオカミウオからしたら迷惑かと笑
こんな僕好みのルックスのオオカミウオですがもう釣りに行くことは無いと思います(経験者として誘われることは多かったですが…)
何故なら釣っても重いだけで面白くないし僕の住んでる札幌から知床は遠すぎます
でも1番の理由はこの時釣ったオオカミウオ以上の怪物が釣れる気がしないからですね 笑
余談ですがこの時一緒に乗船してたメンバーの1人に著名な珍生物ハンターが居て、彼の影響もあり僕の写真も海外のニュースサイトで取り上げられました
日本の海では原発の事故の影響でこんな化物みたいな魚が居るとかなんとか…笑
それぐらいインパクトのある魚ということですね
よっぽどな物好きじゃないと釣りたいと思わない魚ですが北海道にはこんな奇怪な生き物も居ることを知って貰いたくてこの記事を書かせて頂きました
もしオオカミウオ釣りに興味がありましたら時期は7月〜8月がお勧めです
9月になるとサケ釣りが始まりますので船を抑えるのが難しくなると思われます
オオカミウオ釣りだと完全に船を貸し切る形になりますのでモノ好きな仲間を集めましょう(ある程度仲間がいないと船代が高くつきます…)
先ほども書きましたが本当に釣ってもつまらない魚です
でも興味が湧いたなら挑戦しとけ!この強面の魚と対面できた時の達成感は僕の中にずーっと残っています
本当に大事な思い出で大好きな魚なんです